首都圏電車区のオーナーを務めております、今井 美槻と申します。
私ども首都圏電車区では、昨年実施させていただいた
「首都圏の都市の発展を支えた鉄道車両を保存・活用する保存車輌ヤードを首都圏に!」のクラウドファンディングを原資に、茨城県土浦市で首都圏電車区の整備を進めてまいりました。
現地では一歩ずつしかし着実に整備が進んでおり、これまでに現地には解体の危機にあった
「元・福井鉄道モハ161-1号」
「元・小田急電鉄2200形デハ2212号」
が入線しました。
特に元・小田急2212号は解体危機から輸送・入線まで半年足らずというスピードで、解体を撤回することができました。
この1年を振り返りますと、解体の危機にある行先のなくなった鉄道車両を救出するための場所として、首都圏電車区が活用されておりますのは、ひとえに皆様のお力添えによるものだと強く感じています。
さて、鉄道車輌を保存するには現実的に様々な乗り越えるべきハードルがあります。
何よりもまず、車輌を保管する「場所」がなければ、保存活動のスタートラインに立つことすらできません。
首都圏は高度に鉄道が発達し、我が国における『鉄道車輌の技術・文化・歴史の集積地』ですが、首都圏において鉄道車両を保管する広大な用地を用意することは、地価の高騰・不動産価格の上昇が叫ばれる今日では非常に難しいのが現実です。
そんな中でも、茨城県土浦市に整備を進めているこの「首都圏電車区」は6両の車両が留置可能なスペースを用意しています。
加えて交通アクセスの観点でも、都内から車で1時間、鉄道・バス等の公共交通利用でも2時間程度の時間で向かうことができ、首都圏に住む人々が週末を中心に無理なく活動を進めることができます。
そうしたこともあり、この1年間でも様々な鉄道車両・バス・文化財などの保管要請などを多数頂いており、一部は実際に形になりつつあります。
保存・活用する車両も、現在留置されている2両の他に、鉄道会社様等の現保有者様・関係各社様と具体的なお話し合いを進めており、順次搬入の予定です。
【首都圏電車区・現状の課題】
一方でこの1年間の活動を通して様々な課題も見えてきた現実があります。
この1年間、そして今後も急な車両搬入の予定などが続いており、今後の保存車両の留置・整備・修復作業に対応するためには、敷地内のレイアウトを見直す必要が生じています。
このために必要な整地・スロープ造成工事などを行う必要があります。
また現地は文字通り荒地を開拓した場所で、おかげさまで車両の搬入はできる環境が整いつつありますが、正直なところインフラ設備の整備はまだまだ不十分です。
実際に活動を進める中で、電気が通っていないことから電動工具などを十分に使えない状況であること、日没後の作業・滞在ができないことが大きな課題となっています。
さらに夏はかなりの暑さで滞在することもままならず、少し草刈りをしただけでも熱中症になってしまいそうな状況でした。
また首都圏電車区周辺の私有地への立ち入りや徘徊等の事象がこのところ発生しており、近隣の方々とも連絡を取りつつ対策・対応を進めておりますが、管理体制をより充実させる必要があります。
このようなこともあり、緊急で電気工事・敷地の整備などを行う必要が生じております。
しかしながら、昨今の物価高なども影響し、当初の中長期の見通しよりも工事費用などがより必要な状況で、ご支援をお願いさせて頂く次第です。
【資金の用途】
外注整地予算 90万円
電気工事費 25万円
砂利購入費 25万円
返礼品購入費・経費など 10万円
総額150万円のうち100万円を今回のクラウドファンディングにてお願いさせていただくところとなります。
【一般社団法人の設立による、首都圏電車区の運営がスタート】
首都圏を中心とした鉄道車両・文化財の救出・修復・保存・活用に取り組むことをミッションとし、2024年7月には新たに一般社団法人CARBを立ち上げました。
法人として首都圏電車区の運営業務を行うことで、各保存会とも一体となって、以下に掲げたビジョンを実現すべく、より積極的な活用を目指して参ります。
①次世代への継承
個人による鉄道車両保存の課題として、所有者の高齢化や相続などにより、保存継続が困難になるケースが存在します。車両や土地を法人として管理・所有することで、次世代へのバトンを引き継ぎ、永続的な保存管理体制を作ります。
②適切な管理体制の構築
引退鉄道車両は貴重な文化財であると共に、鉄道会社様の商品・ブランドイメージの象徴であり、そのような車両が不適切な状態で放置されたり、危険な事態を引き起こすことは絶対にあってはならないことです。
そのような事態を防止するために、これまでの各保存会の経験と最新技術を駆使した、持続可能性のある適切な管理体制を構築します。
③将来に渡っての活用促進
様々な個人・企業・団体・行政といった関係者と連携し、引退鉄道車両の保存・活用を促進し、そうした車両が現役時代のように多くの人に夢を与える存在として輝き続けることを目指します。
一方で活用によって文化財としての価値を毀損することがないよう、適切な活用方法のあり方などを探求・実践します。
④将来的な帰還推進
現役の車両として走行したことのない地域での保存・活用は、将来的に文化財としての指定が難しいという側面が存在します。来るべき未来に個々の車両に縁のある場所・地域に里帰りできることを目指します。
一方で、現役を引退して間もない車両などは、文化財としての価値認定に対する合意形成が難しいため、協力施設・団体のスペースに輸送し、救出・修復・保存に取り組みます。
【首都圏電車区・今後の構想とメッセージ】
現段階で首都圏電車区に留置している車両は鋼製車のため、定期的に大掛かりな整備を行う必要があります。
そうした中で保存車輌を後世に残すためには、車両を整備する技術を次世代に伝承する必要を感じています。
おかげさまでたくさんの鉄道保存団体様・鉄道保存関係者様より暖かいご協力の申し出をいただいております。
ですが、現状ではせっかくのご厚意に応える環境が整っておらず、もどかしい限りで、早急になんとかしなければならないと感じています。
首都圏電車区に電気が通れば、整備作業を行うことが可能となりますから、車両の維持管理体制が一歩前進します。
そして将来的には首都圏電車区を人々や技術が集まり、より高みを目指すことのできる「保存車両整備の拠点」にしたいとも思います。
あわせて首都圏電車区を整備し、大型車両搬入の実現を経たこの1年間、たくさんの方々に支えられ私自身達成感を感じる一方で、鉄道車両保存を取り巻く様々な厳しさや無力感にも直面して参りました。
どんなに努力しても、保存車輌の「現状維持」が精一杯となってしまっている状況では、「活用」という段階に進むことはできません。
こうした状況は鉄道車輌保存が持続可能性や採算性のない事業とみなされてしまうのみならず、多くの人々に社会的意義のあるプロジェクトとしては認識されず、理解が得られず活動が広がらないという悪循環を生みます。
今回のクラウドファンディングが成功し、電気設備が完成し、電車の整備を進めるための環境が整えば、電車の修復・整備は進み「引退電車の活用」という次の段階に進むことが可能になります。
電車の中で皆様と集まって、車内に電気を灯して、現役時代のように人々が集う場として役目を終えた電車をより積極的に活用したいと思います。
電車は文字通り電気がないと走ることができません。
引退した電車はもう走ることはなくとも、電気を灯して、もう一度人々に夢を与える存在とした輝く姿を見たい。
電車には電気が必要です。首都圏電車区に電気を!ぜひご協力・ご支援をお願いいたします。
【ご支援一覧】
5,000円
・全力支援コース
10,000円以上
・鉄道模型支援コース(詳細は活動報告を参照)
申し込みの流れ…取り置きシステム
0,活動報告ページから模型を確認
1, syutokenyard@gmail.comに、希望する模型を連絡必須
2,取り置き完了の旨連絡
3,支援実施
15,000円
・首都圏電車区ホームページにお名前掲載コース
20,000円
・Aコース・首都圏電車区見学会コース
首都圏電車区が主催し、12月以降随時実施予定の見学会に1回参加可能(2024.12-2025.12)
※2200形保存会が主催する見学会にはご参加いただけません。
・Bコース・キハ10保存会協賛・首都圏色キハ10撮影会コース
※記載がない場合はAコースでご案内します。
25,000円
・軌道敷設体験コース(3月実施予定)
30,000円
・首都圏電車区会員権コース
首都圏電車区が主催し、12月以降随時実施予定の見学会に1年間参加可能(2024.12-2025.12)
※2200形電車保存会などの各保存会が主催する別のクラファンのリターン・見学会などにはご参加いただけません。
50,000円
・全力支援コース
100,000円
・全力支援コース・車両貸切権付(希望者のみ)
首都圏電車区で保存されている、小田急電鉄2200形の車内の貸切・撮影会等を自由に見学いただけるコース
※記載がない場合は全力支援コースでご案内します。
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一般社団法人CARB 首都圏電車区
03-4400-5268
syutokenyard@gmail.com
dex.html
https://carb.or.jp/SyutokenBase.html